第一章 人工知能(AI)とは何なのか

 人工知能(AI)ってワードをよく耳にするようになりました。巷には人工知能搭載という家電があふれ、人工知能を使ったサービスのリリースニュースが毎日発表されています。この章では、ポイントを押さえ、ざっくりと人工知能を理解できるようにまとめてみます。

人工知能( Artificial Intelligence 略してAI )って何?

「人工知能(AI)って何なのか」それが解かりにくい理由の一つに 定義が定まっていない という問題があります。
多くの専門家がそれぞれ異なった定義を唱えていて、これが正解!というものがありません。
しかし、多数の専門家で一致しているポイントもあります。それは、

「人工知能(AI)」は、推論・認識・判断 という、人間の行う知的な処理能力を持つ機械

という点です。
「推論・認識・判断」と言うと堅苦しいですが、「しっぽを振っている犬は喜んでいるっぽい」という事が解るという事です。

認識 犬がしっぽを振っている
推論 犬がしっぽを振っていると好意的な事が多かった、嬉しそうにぺろぺろしてくる事もあった
判断 喜んでいるっぽい

このような過程で、
認識した状況をもとに、知識を参照して、判断するという事が出来る機械の事を「人工知能(AI)」と言いましょう!
という事です。

ちなみに、人工知能・ディープラーニング界隈で有名なAI研究の第一人者とも言われる、東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授(一般社団法人日本ディープラーニング協会理事長、ソフトバンクグループ取締役) は、

人工知能を「人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術」

と定義しています。 当協会にて「人工知能(AI)」という言葉を使う時は、この定義だと思ってください。

人工知能とロボットの違い

人工知能とロボットを混同している人は多いようです。人工知能とロボットは明確に分けて理解しておかないと、議論がぐちゃぐちゃになるので要注意。人間が操縦しないと動かないロボットは人工知能じゃないですが、勝手に判断して動くロボットは人工知能搭載ロボットです。
この勝手に判断して動くロボットの 脳みそ の部分が人工知能になります。ロボットという身体的な部分は人工知能ではありません。

人工知能とは、「推論・認識・判断 という、人間の行う知的な処理能力」を実行できる情報処理システムです。
人工知能の研究ではロボットの脳だけでなく、ゲーム攻略や翻訳など身体を必要としない事も対象としています。
つまり「考える」という目には見えないものを扱っている分野です。

対してロボットとは、自立行動をする機械の事であり、その自律行動は、人ないしはプログラムによる命令を基にしています。

人工知能とロボットの関係は、人間でいう脳と身体の関係に近いものなんですね。


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